モ ナ ド の 夢

モ ナ ド の 夢

『Hollywood Supernatural』−ハリウッドスターとスピリチュアル


 芸能人には感受性や感覚の鋭い人が多いのか、スピリチュアルな経験が多かったり、それらに関心を持つ人が多いようです。『ハリウッド・スーパーナチュラル』(ブラッド・スタイガー、シェリー・ハンセン・スタイガー著 山北めぐみ訳(扶桑社) 、98年刊)より抜粋して幾つかご紹介したいと思います。

 1920年代に霊媒ブームが起こって以来、ハリウッドでの超常現象は長く語り継がれてきた。ここに越してきた俳優が悩まされる心霊現象、モンローの幽霊があちこちで目撃された云々。また霊能力を公言するスターも多い。シルベスター・スタローン等多くが信じている前世。予知能力を持っているロビン・ウィリアムス。実際に霊と交信するシャーリー・マクレーン。その他、ジョン・トラボルタトム・クルーズなど、ここ半世紀の大スターの多くが遭遇する超自然体験。本書はハリウッドを舞台とした超常現象の数々を多岐に亘って紹介する。(前書きより)



 ごく最近、ハリウッドのゴシップ誌をにぎわした話をざっと見ただけでも、超自然現象的話はごまんとある。

 「自分はエヴァ・ペロン(エビータ)の霊に導かれている」と広言していたマドンナが、映画『エビータ』の主役に抜擢されたり、新作『ペスト・フレンズ・ウェディング』に主演中のジュリア・ロバーツが「撮影中ずっと父親の霊が傍で見守っていたのを感じた」と吐露した話は、日本にも紹介された。マドンナとエビータの生い立ちが酷似していたのも、奇妙な偶然の1つとして話題になった。

 映画『天使にラブソングを…』やテレビ『新スタートレック』の人気コメディアン、ウーピー・ゴールドバーグは、死後の存在について固く信じていて、霊との交信を果たしたと広言している。‥‥テレビ『X-ファイル』のスカリー捜査官役でプレイクした女優ジリアン・アンダーソンは、バンクーバーの新居に引っ越したとき、そこを亡霊がさまよっていると感じたという。でも、恐怖には駆られなかった。ジリアンは、家のある場所が、先住民族の墓地だった地域と重なリ、そのため古代の霊が今も周囲を徘徊しているのだと思ったのだ。すぐに彼女が、土地のシャーマンを呼んでお祓いをしてもらうと、あたりに漂っていた重苦しい雰囲気は消え、霊も感じられなくなったそうだ。‥‥最近のめぽしい話題の一例を挙げただけでも、これだけの量があるのだから、やはりハリウッドとその周辺のショウビジネス世界は、超自然現象と切っても切れない関係にあると考えて間違いない。


 
 マイケル・ランドン、死後の生の証明

 
 長寿番組『大草原の小さな家』で、監督、脚本家、主演俳優の3役をこなし、インガルス一家の大黒柱として、世界中の若者たちの根強い共感を集める、権威的人物となったランドンは、かつてインタビューで、常に死後の生を信じてきたことを率直に認めた。その深い信仰は、父親の葬儀の時、自分に語りかけてくる亡き父その人の声を耳にした時に、動かぬ証拠を得たのだった。1959年、人気ウェスタン・シリーズ『ボナンザ』でお茶の間の人気者となっていたランドンは、私生活では最愛の父親サムを亡くし、悲しみに打ちひしがれていた。棺の前にひざまずき、涙を流していた彼は、肩に優しく手を置かれるのを感じた。「大丈夫だよ」彼の耳に届いたのは、父親の声だった。「心配するな。わしは元気だ。何もかもうまくいくさ」そのとき彼は、父親の霊は生き続け、いつまでも傍にいてくれることを悟った。草葉の陰の父親と心を通わすことができると気付いたことで、彼の心は慰められた。



 
 ロレッタ・リン、天国を訪れる

 
 アメリカを代表する伝説のカントリー・ミュージック歌手ロレッタ・リン(Loretta Lynn、1934年4月14日− )は、89年の臨死体験を境に死への恐怖が消えた、と語る。
その年の2月5日、ロレッタは誤って鎮痛剤を過量摂取したために、生死の境に立たされた。医師たちが彼女の命を救おうと手を尽くす中、彼女は自分自身が肉体を離れるのを感じた。臨死体験者の多くがそうであるように、先に眩い光の見える、長く丸いトンネルを自分が降りていくのがわかった。その光に近づくにつれ、美しく色付いた紅葉が見えてきた。ロレッタは、トンネルから出たところで、自分の肉体が今まさに死を迎えたことをはっきりと悟った、と語る。「不思議とあまりショックは感じなかったの」と彼女は言う。やがて、行く手に母親の姿が見えた。母親は若く愛らしかった、着ている服は埋葬された時のものだった。
 
 母親の背後には「宝石箱をひっくり返したような‥‥虹色にきらめく大きな街」が広がっていた。ロレッタには自分が天国を覗き見ていることが分かった。「あれほど綺麗なものが他にあるはずがなかった」から。
母親を抱きしめたいと思ったとき、その背後にひしめく無数の人々が目に入った。「どういう訳か、私には、あの人たちは皆、私がこの人生で愛してきた、けれども既に死んでしまった人たちだということがわかったの。」
ロレッタは平和で満ち足りた思いに包まれた。手を伸ばし、母親を抱きしめさえすれば、全てが完壁になることはわかっていた。「でも、ママはわたしに向かって両手を突き出して見せたの。まるで、シッシッと追い払うみたいにね。ママは言ったわ。『いい子だから、引き返すのよ。まだあなたが来る時じゃないの』って」

 ロレッタは地上の暮らしに戻りたいとは思わなかったが、仕方なく引き返したのだそうだ。臨死体験は彼女に「まったく新しい生命力」を吹き込んでくれたという。今、彼女は死後の生があること、母親、父親、そして息子がそこで彼女を待っていることをはっきり認識している。「死んだら、あの人たちと一緒になれることがわかっているんですもの。私は世界一幸せな女だわ」




「静かにささやく声」に耳を傾けることを学んだクリント・ウォーカー
人気テレビシリーズ『シャイアン』や映画『特攻大作戦』『ホワイト・バッファロー』で活躍した長身の肉体派俳優クリント・ウォーカーは、恐ろしい事故でスキーのストックに心臓を貫かれた時に経験した臨死体験を次のように語る。

「僕の頭を去来した無数の考えを一言で言えば、現実だと思えることの大半は幻想で、幻想の方が往々にして現実だ、ということだ!」「僕はただ肉体から浮かび上がっただけじゃなかった−全世界を見下ろす高さにまで昇りつめて行ったんだ。地球がどんどん小さくなるのが見えて、宇宙からすれば、僕らの世界なんて汚くてちっぽけな、古びたバス停に過ぎないことが判った。そして、時間は幻だということも。物事の本質がかつてないまでにはっきりと見えた。自分が今までガラス越しにぼんやりとしかものを見てこなかったことを悟って、まるで全ての答えが解けたみたいな気がした。‥‥‥最終目的地に思いを馳せると、心地よい予感に包まれた。ふいに彼は、人は何度となく生まれ変わるこができる、と悟った。これまでもずっと神の存在を信じてはきたが、今では、創造主には魂を新しい肉体に宿らせ、別の人生を経験させることができること、がはっきりと判った。「肉体は乗り物に過ぎない。当座の間、身にまとう衣服に過ぎないんだ」と彼は語る。




 黄泉の国から人々を癒すモナコ王妃グレイス・ケリー

 1982年に自動車事故で命を落としたモナコのグレイス王妃は、あの世から奇跡をおこなうところを確認されてきた、もう1人のハリウッドの“聖人”だ。モナコ出身のヴァチカンのある司祭長によれぱ、100を超える奇跡的な現象が『泥棒成金』、『喝采』(1954年、オスカー受賞)、『真昼の決闘』などで知られる、往年の大女優によるものだと考えられているという。

 ● フランスの幼い少女は、グレイス王妃を夢に見た後、視力を取り戻した。
 ● 11歳の盲目の少女は、グレイスの墓に花を捧げたところ、たちまち目が見えるようになった。
 ● 彼女の墓に祈りを捧げた結果、願いが叶った、と主張する人々は数多い。
 ● 俳優のデビッド・ニヴンは、苦痛に悶えた最後の日々をグレイス王妃の霊に慰められ支えられた。

 グレイス王妃は、どうやらその特別なエネルギーを人一倍多く持っていたようだ。1990年3月6日付の〈ナショナル・エンクワイアラー〉紙は、彼女が世界的に有名なノース・カロライナ州ダーラムの超心理学研究所で検査を受けていたことをすっぱ抜いた。それは、1980年、彼女の命を奪ったモナコでの自動車事故の2年前のことだ。超常現象の専門家リチャード・ノールは、試験の詳細を一切明かすことはできない、としながらも、「彼女がたぐい稀な能力に恵まれた超能力者であることは疑う余地がない」とコメントしている。

 6時間に及ぶ試験の間に、グレイス王妃はかねてから占星術とESPに関心を持っていたことを認め、年々自分の超能力の高まりを感じていることを明かした。‥‥‥彼女には、モナコでの死についても、はっきりとした予感があった。彼女は自分が後に命を落とすことになる道路のことを「訳もなくひどく恐れていた」と、友人達は証言した。彼女はそこを通る度、「ただならぬ危険」を感じる、と口癖のように漏らしていたのだ。
 彼女は死の予感を胸に秘め、静かに暮らしていた。彼女は研究所でこう語った−「死後の生は必ずあるわ。子供の頃からそう確信しているの。この世界には目に見える以上のことが存在するのよ。」




 ハリウッドを闊歩するエイリアンたち
 
 エルヴィス・プレスリーが、彼の魂のエッセンスはどこか別の世界からこの地球にやってきた、と信じていたのは、何も珍しいことではない。ハリウッドはもちろん、全世界で人々は自分の祖先と別の世界とのつながりに目覚め、それを語り始めているのだ。UFOに乗ってやって来たエイリアンと遭遇した、子供の頃の記憶を呼び醒まし、自分たちの肉体的あるいは霊的祖先は別の惑星、あるいは異次元から地球にやってきたことを知っている、と訴える者もいる。

 異才の未来学者バックミンスター・フラーは、人類の起源が地球外にある可能性をはっきりと認めた。彼はこう述べている「我々はダーウィンが誤っていたこと、つまり、人間は別の惑星から地球にやって来たことを知るようになるだろう」全人類は地球外生物によってこの地球に種蒔かれ、育てられたもので、その生物は今日もなお我々の進化に大いに−ただし、往々にしてこっそりと−力を提供し続けている、という可能性を唱える俊英の科学者は彼だけではない。ノーベル賞学者で、DNA分子の共同発見者のフランシス・クリック博士は、地球上の生物の遺伝コードが一様であることに着目すると、我々の惑星は遠い世界からやって来た知的生命体によって種を蒔かれた、と主張して、同僚たちをあっと言わせた。世界的に尊敬を集めるイギリスの天文学者・数学者のサー・フレッド・ホイルダーウィンの進化論に真っ向から挑み、「明白に、また決定的に地球上の生命の起源が宇宙にあること」を裏付ける、新たな物理的根拠の存在を訴えた。
 
 前世診断者で輪廻転生論者のディーゲル博士は、実際に前世診断を行ったハリウッド・スターの多くが、別の世界もしくは別の宇宙における前世を持つと確信する。『Romance of an American Duchess』(1915年)から『エアポート75」まで、息の長い女優人生を歩んだ伝説のスターであるグロリア・スワンソンに、あなたには別世界での前世体験がある、と告げた時には、ずっと前からわかっていたのよ、と答えたという。「グロリアが呼び起こすのに成功した17の前世のうち、多くは別の惑星でのものだった」と博士は述べた。

 真実は、哲学者エリック・ホッファーが遺したこんな言葉にあるのかもしれない「私は常に、人間は別の世界からこの地球にやってきた訪問者だと感じていました。だからこそ、私達は天国に、空に、星に、神に---大気圏を超えたどこかに存在するものに心奪われるのです。それは一種の帰巣衝動です。私達は元いた場所に引き寄せられるのです」