モ ナ ド の 夢

モ ナ ド の 夢

「宇宙の真理」日本の神々篇①

 私は、昭和41年1月から荒深道斉氏の開かれた「道ひらき修道部」の通信講座で日本神典古事記日本書紀等の真意は何かということについて学ぶ機会を得たのであります。日本神話は多くの人々には正しい意味は理解されておらず、日本神話を低級な文学作品の如く考えている人々も多いのであります。日本の古代史については多くの人々が様々な説を発表していますがそれらのどれもが何となく本当らしい面を有している反面、説明不充分と思われる点や矛盾と思われる点を多く含んでいるのであり、どの説が本当に正しいと言えるものではないと思うのであります。荒深道斉氏の古事記の解説は非常に科学的であり近代的であると言えます。しかし荒深氏の説が全面的に正しいと言えるものではないと私は思うのであります。それは荒深氏に霊憑りして様々な教えを説いた神武天皇の参謀「道臣忍日(みちのおみおしび)命」と称する霊の述べた事は必ずしも信用出来ない面も多いからであります。忍日は重大な事実を隠して嘘をついていると思われる点も多いのであります。
 
 昭和38年8月に、私が神より与えられた使命は日本肇国の大理想である八紘一宇即ち1つの世界建設の大理想の実現のために立つ様にということでありました。そうして八紘一宇の大理想を如何にして実現に移して行くかという根本的理論の完成がその後の私にとって最大の急務だったのであります。その根本理論は大東亜戦争大東亜共栄圏建設の失敗という大きな歴史的事実の反省、更に八紘一宇の大理想の根拠となるべき日本神典や日本歴史の多くの謎の部分の解明に待たねばならない点が非常に多かったのであります。八紘一宇の大理想を如何にして実現に移して行くかについて私が独自の立場で研究し到達し得た結論は宗教宗派を超越した宗教の統一であり、国家や国境を超えた1つの世界の建設であり、民族や人種の相違を超越した全人類の融合であり、1つの言語を通じての文化の融合であり、土地や資源や資本や富の私有や共有や国有などを超えた全人類の共有化という様なことでありました。それらの中のどの1つをとってみても実現は不可能にも近い程困難なのであります。その困難な大事業をいかにして実現に移して行くか、それを実現可能なものに変えて行く新しい理論や学問の確立のために私は全精魂を傾け尽して研究に専念して来たのであります。そうして新しい理想の世界を建設して行くための基礎理論は一応の完成を見たのであり、昭和55年2月11日より神霊界からの働きかけが強くなり、私が長い間研究に専念してきた理論を書物として出版し遍く世の人々にお伝えする様にという神命と神助を受けることとなったものであります。太陽は1つであり地球も1つであり、太陽と大地の恵みに依って生まれた地球人類は皆が兄弟姉妹なのであり、地上の世界を1つの家庭とし、全人類が兄弟姉妹となって皆が伸良く信じ合い協力し合って神の国と呼ぶに相応しい理想の世界を建設するために努力し合わねばならないのであります。
 
 神代と呼ばれた遠い昔、日本の国土は世界各地から多くの異民族の人々が移住して来たのでありました。朝鮮人、中国人、満州人、蒙古人、トルコ人インドネシア人、マレー人、タイ人、チベット人、ネパール人、或いはヨーロッパ系のチュートン民族、ユダヤ人、黒人等多くの異民族と日本に古来から住んでいたアイヌ民族天孫民族とが日本の国土で混血融合して今日の日本民族と成ったのであります。故に日本民族天孫民族という純血で固有の民族ではないのであり、多数の異民族の混血融合に依って出来上った混成民族なのであります、多数の民族が日本の国土に於いて大融合を遂げ日本民族という1つの民族に成ったのであります。そうして多くの異民族の言葉が混り合って今日の日本語となり、多くの異民族の文化が融合して今日の日本の文化と成ったのであります。其処に八紘一宇の大理想の原型、雛型とも言えるものが存在するのであります。そうして日本民族の優秀性もまた其処に有ると言えるのであります。生物学、遺伝学に於いても雑種強勢の法則がある様に血縁の遠い人同志の結婚の方が優れた子孫を残すことが出来るのであります。古代の日本では異民族との通婚もよく行なわれていたのであり、そのことに依って異民族との間に平和を維持し、血液の同化を図り文化の融合をも図って来たのであります。ユダヤ人や中国人やドイツ人の如く民族の血の純潔を誇り、異民族との通婚を拒否していたならば1つの世界1つの民族の理想は決して実現出来ないのであります。しかも民族の血の純潔を守るということは同時に民族の血が古くなり次第に民族の勢力が衰退し文化も停滞してくることに繋がってくるのであります。
 
 古代の日本人は帰化した異民族の人々との通婚を奨励して積極的に民族の血の更新を図っていたのであり、また日本へ帰化する人々が多くあった如く日本から朝鮮や東南アジア各地へ移住した人々もかなりあったと思われるのであります。故に今日の日本人は世界各地の多くの民族と血の繋がりを有しているのであり、日本人はアジア人種と言うよりも地球人と言う方が相応しいと言えるのであります。今から2,000年位昔には日本の各地に多くの異民族が割居していたと考えられるのであります。そうして天孫降臨に依って天孫民族と多くの異民族との通婚に依ってあらゆる民族が1つの日本民族へと融合を遂げて行ったのであります。長い歴史を通じて日本は民族融合の場所でありました。そうして巳本肇国の理想である八紘一宇の大事業は日本の国土に於いて不完全ながらその一段階を終ったとも言えるのであります。即ち北海道に住む少数のアイヌ民族の人々を除いては日本へ渡って来た多くの民族は日本民族という1つの民族へと大融合を遂げ、1つの民族、1つの言語、1つの文化を創造し得たと言えるのであります。アイヌ民族の人々は今日では日本国内に住む少数民族となっていますが、元々、日本の東半分以上がアイヌ民族の領土であったと考えられるのであり、東日本のアイヌ民族は消減したというのではなく混血融合して日本人となり発展的に解消した丈であり、数十代前に遡れば祖先はアイヌ人であったという人々は非常に多いと思われるのであり、北海道のアイヌ民族の人々は地理的条件に依って民族融合の機会から外れた丈であり、大和民族とも深い血の繋がりを有する民族であることに変わりはないのであります。
 
 多くの異民族が日本の国土に於いて混血融合して1つの民族になったという歴史的な事実を八紘一宇の大理想の雛型として、私達は八紘一宇の第2段階である1つの世界建設の大理想の実現のために立ち上がるべき時が来たのであります。例えばフィリピンは島の多い国でありますが、島が変われば民族が違い言語も生活習慣も違い往来すら思うようにできない場合が非常に多いのであります。印度の如きも非常に多くの異民族が割拠しており、村が変わり部落が変われば民族が違い言語も風俗習慣も違うため非常に不便が多いのであります。世界各地に多民族国家は沢山あり、言語や風俗習慣の相違からしばしば対立が起こり様々な不幸や悲劇の原因となっていることも事実であり、その様な事をよく考えてみると私たちの遠い祖先の人々が異民族の人々との融合に努めたことが如何に偉大なことであったということがよくわかるのであります。人種や民族の相違をそのままにして連合政府などを作っても本当の平和は来ないのであります。全ての異民族の人々が他の民族の人々との結婚を通じて民族と人種の融合を図り、民族の血の更新を図り、民族や人種の差別が消滅して全人類が1つの民族となり1つの世界を建設していく様になることが理想なのであります。