モ ナ ド の 夢

モ ナ ド の 夢

国之常立神の分霊である著者安原修氏について

 私が、安原氏の著作に触れたのは大学に入学して暫らくしてからの頃でしたが、同じ頃、欧米の学者が19世紀末頃から取り組んでいた心霊主義にも感化を受けました。(著名な哲学者であるベルクソンやウィリアム・ジェームズは心霊研究協会会長を務めていましたし、エジソンは死者との交信を本気で考えていました。コナン・ドイルは熱心な信奉者であり、世界中を講演して回ったほどです。)中でも、シルバーバーチの宇宙観・人間観は、私の思想の中核となり現在に至っています。それからすぐ、いくつかの宗教団体を数年間遍歴したのですが、実際、宗教に関わってみると、宗教が、いかに人間同士を対立させるものか身に沁みて実感しました。トルストイも、こんなことは悪魔でも思いつかなかったであろう、とその著作の中で宗教の引き起こす不幸を嘆いています。(因みに、トルストイの宇宙観・人間観も、その哲学的著作「人生論」「文読む月日」等から判断する限り、シルバーバーチのそれにかなり近いと思います。)

 安原氏は写真で見る限り、清廉、謹厳実直そのものといった風貌の方であり、著書からは、その純粋で高潔な人柄がひしひしと伝わってきて、真理を求めて一筋に生きてこられたことが分かります。実際、かなり苦難の道を歩まれたことは次の箇所からも窺えます。
 
「私が、昭和38年8月、神の啓示を受け使命を授けられるようになって以来、私が使命の遂行のために努力すればするほど家庭を犠牲としなければならず、一家の団欒とか豊かな楽しい生活などは望むことができなくなり、両親や兄弟からの攻撃も激しく、私はまったく孤立無援の状態でありました。いくら話しても誰にも理解してもらうことのできない状態にあっては、もはや誰にも志を打ち明けず、ただ時節の来るのを待つ以外にいかなる方法なかったのである。友人にも家族にも理解してもらうことはあきらめ、ただ一人真理を求めて努力してきた。故に雨が降ろうと風が吹こうと嵐が猛り狂おうとも雷が鳴ろうとも、どのようなことが私の身の上に降りかかってこようとも、そのこと自体を私の前途を祝う給う神のはなむけと受け取って生きてきた。」
 
 安原氏は、様々な宗教、思想はいうまでもなく歴史、古代史、経済学、自然科学に至るまでかなり幅広く勉強されていたことがわかります。宗教に関しては、書物を通してだけではなく、仏教、或いは明治以降発生したいわゆる新宗教である黒住教金光教天理教大本教といった教団には実際、本部を訪問したりして学ばれ、霊感もかなりあった方のようであり、その都度、霊感を受けたりといった形で真理を会得されています。天理教の場合は、亡き教祖が、他の宗教の場合は、その守護神が夢枕に立ち、予言や啓示を与えられるといった経験もなされたとのことです。

  明治以後発生したいわゆる新宗教の内、宇宙学では、大本教はオリオンの悪魔、生長の家土星外星の悪魔、白光真宏会は長い間人類を苦しめてきた龍神が教えたものであると説いています。金光教黒住教等のその他の新宗教は、後述しますが、安原氏は、宇宙学とはやや見解を異にし、天照大神の統治せられる時代には圧迫せられて世に出られなかった神々が、表に出て来られて説かれたものである、との見解をお持ちです。また前出のオイカイワタチは、皇室に対する敵意が窺える点、及び近く新生する地球の中心が沖縄である、との内容から、邪悪な宇宙人だけでなく、島津氏や皇室に滅ぼされ恨みや憎しみの念に燃えている琉球王家の祖先霊や琉球人の守護神によっても説かれたものである、との見解です。
 
天孫降臨に依って、天尊系の人々のために滅ぼされた人々の子孫の人々にとって長い苦難の時代は終わって神の御稜威のもとに新しい時代が開けて行くという意味である。天孫降臨以前の日本は須佐之男命の系統の大国主命などが日本を支配していた。そこへ天照大神の系統の邇邇芸尊(ににぎのみこと)が高天原から降臨して来られて日本は天照大神の時代になった。しかし天照大神の支配せられる時代が永遠に続くというわけではない。」
大本教の神諭に『三千世界一度に開く梅の花 艮(うしとら)の金神の世になりたぞよ』という言葉がある。これは天照大神の時代は終わって地球の神、国常立尊が日本を統治せられる時代が来たという意味である。(中略)天照大神が地球の守護神として地球を統治せられる時代は幕末頃に終わったと考えられ、それは明治維新の頃から日本に新興宗教が次々に生まれてきたことからも窺え、それは、天照大神の統治せられる時代には圧迫せられて世に出られなかった多くの国津神が新しい時代の到来と共に復活して来られようとしていることだと考えられる。宇宙学に於いても、天照大神は地球の守護神の地位を解任せられ新たに天地大神という女神が地球の守護神に任ぜられた、と教えている。」(「宇宙の真理 第2巻 新しい光」第6章p130 )

 しかし、宇宙学に触れ本格的に学び始めると、地球を救うべく出現した国常立尊の分霊である氏を宇宙学から遠ざけようとする悪魔邪神の攻撃を受けるようになり、実際、悪魔の姿が見えるようになったりと、悪魔の実在をひしひしと感じるようになり、悪魔邪神の実在を説く宇宙学の正しさも確信するようになったとのことです。安原氏が、宇宙学と関わるようになった頃には、田原女史はすでに亡く、後を受け継いだ幹部の人たちが、元々観念的で実践は非常に難しい教えを正しく受け継いだり、実践できていないと思うようになり、また悪魔の計略により同会の代表である高木氏と仲違いをさせられ、同会と袂を別ったようです。「宇宙学は、世界のあらゆる宗教や思想を超越する偉大な真理である。しかし、現代人にはあまりにも理解し難く実践し難い面があると言える。発展しない理由もそこにある。故に私は 宇宙学の真理を展開しつつ新しい宇宙の真理として、多くの人々に判り易く実践し易いものとして世に広めたいと念願するものである。」と巻末に於いて結ばれている氏の著作である前掲の「宇宙の真理 第2巻 新しい光」の概要を今後、述べていきたいと思います。